❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「由梨さん、大丈夫ですか、西園寺組長の舎弟の裕也です」

由梨はそっとドアを開けた。

「よかった、組長、心配してましたよ、声をかけたのに返事がないって」

「西園寺さんは、何で機嫌が悪かったんですか」

「由梨さんにどう対応したらいいかわからないんですよ」

「私、西園寺さんを困らせているんですか」

裕也は五年前のことを思い出していた。

(このままでは、また、由梨さんは組長の前から姿を消しちまう)

「由梨さん、安心してください、何も困らせてることなんてありません」

(私が西園寺さんに会いたいって思っちゃ迷惑なの?)

「俺、ハンバーガーでも買ってきます、待っててください」

由梨が一人になった時を狙い、亮二はインターホンを鳴らした。

「どちら様ですか」

「西園寺さんに頼まれて、お迎えに来ました」

(西園寺さん?)

由梨はオートロックを解錠してしまった。

「さあ、いきましょうか」

由梨は疑いもせず、亮二の車に乗り込んだ。
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