❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
そこへ高級車がアパートに近づいてきた。

(誰だ)

車からは誰もおりてくる気配はない。

すると、助手席のドアが開いて、由梨がおりてきた。

この間とは違い、清楚なワンピース姿で、健吾は目を奪われた。

続いて運転席のドアが開いて、男性が降りた。

その男性は由梨に近づき、腕をつかんで身体を密着させた。

由梨の顎を掴み、唇を重ねようとした。

「やめてください」

由梨の嫌がっている様子がうかがえた。

健吾は頭に血が上り、二階の通路から大声で叫んだ。

「てめえ、やめろ」

健吾はアパートの階段を二段飛びで駆け下りた。

由梨の腕を掴んで、その男から引きはがした。

「西園寺さん」

「由梨、大丈夫か」

その様子にその男は言葉を発した。

「おい、君は誰だ、由梨は僕のフィアンセだ、由梨から離れろ」
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