❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
健吾は咄嗟の出来事に戸惑った。

じっと見つめていた視線を逸らし、部屋から出ていった。
(どう言う事だよ、今、由梨がキスしてきたよな)

健吾は心臓の鼓動が早くなるのを感じた。

(でも、契約の役割を実行しただけだよな)

ドアの向こう側で由梨もドキドキが止まらなかった。

(私、なんて事しちゃったの、自分からキスしちゃうなんて、絶対に嫌われたよね、

でも、私は確信した、西園寺さんが好き。

しかし、好きになってはいけない。

私は東條優馬のフィアンセなのだから、そして父の残した借金を

払わないといけない。

西園寺さんとは結婚出来ない、愛を望んじゃいけない。

唯一、叶うとすれば、西園寺さんにはじめてを捧げ、抱きしめてもらう事。

毎月の手当てはまとめて返そう)

健吾はアパートの階段を降りて、待機していた裕也の元に戻った。

「若頭、随分と早いお帰りで」

「飯食っただけだ」

「えっ、彼女を抱かなかったんですか」

「由梨は俺の指示で服を脱いだ、無理をしていると感じた、身体が震えていたんだ、そんな女を抱けねえだろ」
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