❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「健気ですね」
「好きでもない俺に自分の裸見せて、嫌だったに違いねえ」

「借金のためですか」

「そうだろ?」

裕也は考え込んでいた。

「なんだよ、他に理由ねえだろ、俺は振られたんだ」

「でも、若頭が彼女の借金を肩代わりすることを断ったのに、借金の支払いのために若頭の申し出を受けますかね」

「どう言う事だよ」

「もしかして、若頭を好きになったとか」

「だって俺は振られたんだ」

「変わりやすいのは女心と秋の空ですよ」

健吾は由梨のキスを思い返していた。

「帰りがけ、キスしてきたんだ」

「やっぱり間違いないですよ」

「でも、俺が抱かなかったから、役割のつもりじゃないのか」

「彼女の気持ちは彼女にしかわかんないっすね」

健吾は自分の唇を指で触れた。

由梨のキスの感触がまだ残っていたのだった。

(由梨、どうしたら俺を好きになってくれるんだ)
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