❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「何をするんですか」

「君にはスマホは必要ない、僕だけを見ているんだ、いいね」

由梨は粉々になったスマホを見つめていた。

(これでもう、西園寺さんと会うすべは立たれた)

「さあ、仕事に戻れ、就業時刻になったら、表に車を停めておく」

「わかりました」

由梨は仕事に戻った。

それから、全く仕事に身が入らなかった。

(西園寺さんに、このことを伝えなくちゃ)

その頃、健吾は由梨のアパートに向かっていた。

由梨の部屋から荷物が運び出されているところだった。

「おい、どう言うことだ、聞いてこい」

「へい」

裕也は引っ越し業者を問いただすと、東條ホールディングス社長、東條優馬宅へ引っ越しだと聞きだした。

「若頭、由梨さんは東條優馬のマンションに引っ越しだと言うことです」

「なんだって」

健吾は渡辺に早速連絡を入れた。

「渡辺、由梨が東條のマンションへ引っ越しと業者からの情報だが、由梨から何か聞いているか」

「いえ、何も連絡はありません、すぐに確認致します」

健吾はスマホを切った。

(由梨、どう言うことだ)
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