❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「えっ、由梨、お前、はじめてか」

「はい」

由梨は健吾を見つめた。

健吾は固まっていた。

(何?はじめては嫌なの?)

健吾の表情からは気持ちが読み取れない。

健吾は視線を外して、考え込んでいた。

(好きでもない男がはじめてってやべえだろ、しかも極道だぞ、由梨は堅気なんだ)

(これじゃあ、犯してるも同然だ)

「健吾さん?」

「シャワー浴びてくる、着替えて飯食いに行こう」

健吾はシャワールームに向かった。

由梨は健吾の背中に向かって叫んだ。

「はじめてじゃあ、健吾さんの相手は出来ないんですか」

健吾は黙ったままシャワールームに消えた。

(役不足ってこと?)

この時、お互いの気持ちを読み取ることが出来ずにいた。

ベッドにぽつんと取り残された由梨は、身体の火照りをどうしていいのかわからずにいた。
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