❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「すべて把握しています」

健吾は裕也を質問攻めにした。

「なんで奴は払ってやらないんだ、なんで、こんなボロアパートに住まわせてる」

「若頭、落ち着いてください」

「これが落ち着いていられるか」

「実は東條優馬は女ぐせが悪く、キャバクラの常連です」

「はあ?」

「優馬の親である会長が将来を案じて、彼女に白羽の矢を立てたんです、彼女なら借金を返す為、東條ホールディングスを辞めるわけにはいきません、優馬のフィアンセを引き受けるなら、ずっと働かせると……」

「ということは、俺がその借金を払えば、彼女は自由なんだな」

健吾は車から降りてアパートの階段を上がろうとした。

「若頭、お待ちください」

健吾は裕也の制止も聞かず、由梨の部屋のドアをノックした。

「はい」

由梨の可愛らしい声が聞こえた。

「おい、開けてくれ」

「どちら様でしょうか」

「俺は西園寺組若頭、西園寺健吾だ、俺と結婚しろ」
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