❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「西園寺健吾だ、開けろ」

東條はオートロックを解錠した。

健吾はドアをぶち破る勢いで部屋に入ってきた。

「失礼だろ、婚約者とのお楽しみの時間だったのに」

健吾は寝室のドアを開けて、愕然とした。

情事の最中を物語るように、由梨がベッドに横たわる姿に……

由梨はタオルケットを被り、泣いていた。

健吾の後ろから東條は勝ち誇ったように声をかけた。

「今、由梨と愛し合っていたところだ、続きをするから君はさっさと出て行ってくれないか」

「冗談じゃねえ」

健吾は振り向きざま、東條を殴りつけた。

そして、由梨に自分の上着を着せ、抱き抱えて、部屋を後にした。

外で待機していた車に由梨を乗せ、車は発進した。
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