❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
車の中で、健吾は黙ったままだった。

由梨はどうしていいかわからなかった。

その時、渡辺の言葉を思い出した。

「一つ条件があります、若頭以外の男性と関係は持たないこと、その場合、

契約破棄になります、たとえフィアンセの間柄だとしても、よろしいですね」

(そうだ、私、契約破棄になるんだよね)

由梨は思い切って、健吾に言葉を発した。

「あのう、私、契約破棄されるんですよね」

「どうしてだ」

健吾はまっすぐ前を向いたままだった。

「だって、西園寺さん以外の男性と関係を持ったら契約破棄だって」

「契約破棄なんかしねえ、俺がいいって言ってるんだから気にするな、それにあいつを愛しているのか」

「愛していません」

「そんなら問題ねえだろ」

由梨は東條の行動を信じられなかった。

(社長の元には帰れない、会社も辞めないとダメだよね)

由梨は途方に暮れていた。

その時、健吾が言葉を発した。
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