❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
健吾との抱擁を思い出すと、身体が熱って、今すぐにでも抱きしめてほしいと思ってしまう。

(本当は健吾さんのそばを離れたくない、でも……)

由梨は不安を抱えていた。

一年前、体調を崩して、入院したことがあった。

貧血だと診断されたが、それだけではないように思えた。

借金の返済の人生。

誰とも関わりを持たずに生きていこうと決めていたのに……

健吾はまさかの運命の相手だったなんて、この時は知る術はなかった。

不動産屋をあたるも、無職ではどこも貸してはくれない。

(当たり前だよね、まずは働くところを探さなくちゃ)

でもどう言うわけか、首を縦に振ってくれるところはなかった。

実は裏で、東條が手を回していたのだ。

(由梨、俺を振ったことを後悔するがいい)
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