❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「ありがとうございます」

裕也は健吾に誉められると嬉しくて仕方ない。

辺りは暗くなり、部屋の灯りがつき始めた。

由梨の部屋のキッチンからも灯りが漏れていた。

いい香りが健吾の鼻をくすぐる。

(やべえ、腹減ってきた)

そこへ、裕也がコンビニの袋を下げて健吾の元にやってきた。

「若頭、おにぎりと唐揚げ買ってきま……いい香りですね、うまそう」

由梨のキッチンの窓に鼻を近づけて、クンクンし始めた裕也。

「お前は犬か」

由梨はドアの向こうでザワザワしている様子が気になり、ドアを開けた。

由梨の目に飛び込んできたのは、通路に座り込んでいる健吾とキッチンの窓に鼻を近づけ

ている裕也の姿だった。

「何をしているんですか」

目をパチクリして由梨は驚きの表情を見せた。

健吾はすぐに立ち上がり、照れ臭そうに頭をかいた。

「すげえ、いい香りがしてるが、何を作ってるんだ」

「肉じゃがです」
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