❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
マンションに戻ってから、健吾は一点を見つめて、何か考え事をしているかの様子が伺えた。

「健吾さん、大丈夫ですか」

健吾は返事をしない。

由梨はもう一度健吾に声をかけた。

「健吾さん」

健吾はやっと由梨に呼ばれていることに気づいた。

「あっ、ごめん、何?」

「私、後、どのくらい健吾さんのそばにいられますか」

健吾は驚きの表情を見せた。

「な、何言ってるんだ、ずっと一緒だ」

健吾は狼狽えた。

(由梨はわかってるのか、自分の病気のこと)

「一年前、入院したことがあって、その時、看護師さんの話を聞いてしまったんです、もう手遅れだって」

「何の話をしているんだ」

「だって、健吾さん、病院から戻ってからずっと考え込んでるから」

「ちょっと待て、手遅れって、本当にお前のことか」

「えっ?」

「どんな症状でどこの病院に入院したんだ」
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