❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
(何だ、ずっとついてくるな)

そう思った瞬間、車をぶつけてきた。

(危っぶねえ)

健吾の車は何度も体当たりされ、急カーブに差し掛かった時、ハンドルを切りそこなって、

崖に転落した。

健吾は意識を失った。

夜になっても戻らない健吾を心配して、由梨は渡辺に連絡を取った。

「あのう、健吾さんが戻らないんですが……」

「若頭はどちらに行かれたのですか」

渡辺に問われて経緯を話し、病院を伝えた。

「わかりました、由梨さん、いえ奥様は若頭がいつ戻るかわかりませんので、待機していてください」

渡辺は嫌な予感が脳裏を駆け巡った。

「裕也、若頭から連絡ないか」

「へい、今日は何もありません」

「若頭は一人で出かけて、まだ戻らないらしい」

「えっ」

(あれほど注意したのに、全く)

「俺、探しに行ってきます」
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