❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「慌てるな、若頭は由梨さんと夫婦になった」

「やっぱり」

「婚姻届を提出して、一年前に奥様が入院した病院にその時の症状を聞きに行った」

「それから戻らないんですね」

「そうだ」

渡辺は抗争相手の山本組が絡んでいると睨んだ。

(とにかく、若頭の行方を探さないと)

西園寺組総動員で、若頭の行方を捜索した。

その頃、健吾は意識が回復して、状況を把握した。

(あの野郎、ぶっ殺してやる)

しかし、手も足も全く動かない。

(スマホはどこだ)

やっとの思いでズボンのポケットからスマホを取り出すが、映し出された画面は圏外だった。

(マジかよ、今どき圏外なんてところあるのかよ)

健吾は渡辺に口うるさく言われていたことを思い出していた。

(くそっ、由梨、由梨)

その時、由梨は健吾に呼ばれた気がした。

(健吾さん、どこにいるの)
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