❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
健吾は意識はあるものの、全身骨折の重症だった。

「山本組、許せねえですね」

怒りを露わにしたのは裕也だった。

「しかし若頭が無事でよかった、若頭の生命力には驚きだな、先生の話だとよく生きていたと感心していた、それに川まであの状態で這って行けたのが不思議だと言っていた」

「姐さんのおかげですね、まさか川の方はまさかの死角でした、さすが姐さん」

「ああ、若頭は二度も姐さんに命を救われたんだな」

渡辺は二人の間に運命を感じていた。

「どうしやすか、山本組に殴り込みしますか」

渡辺は考えていた。

若頭の命が狙われたのは間違いない。

山本組組長は卑怯な方法でまた仕掛けてくる。

姐さんのことも気になっていた。

「とりあえず、様子を見よう」

裕也は渡辺の判断に納得いかない様子だった。

健吾はしばらく眠っていた。

由梨は片時も健吾から離れず、そばにいた。

健吾は時々うなされた。

あの時、後ろから突撃されて、急カーブでハンドルを切り損ない谷底に落ちた。
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