❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
健吾から何も聞いていなかった裕也は理解出来ずにいた。

「嫌だな、姐さん、冗談はよしましょうよ」

「あのう、姐さんって、どなたかと人違いされているんじゃないでしょうか」

裕也はとにかく、若頭の元に連れて行こうとした。

「えっと、会ってもらいたい人がいるんです」

由梨はポカンとしていた。

「大怪我して、以前姐さんに助けてもらったらしく、お礼を言いたいとのことです」

「私がその怪我をした人を助けたんですか」

「はい」

「でも……」

「とにかく、姐さんを連れて行かないと、俺がその人に怒られるんです、お願いします」

裕也は強引に由梨を連れて、病院へ向かった。

由梨の頭の中は今、この瞬間の記憶がない。

自分は何をしようとしたのか。

目の前の人が誰だかわからない。

しかも急にその状態になってしまうのである。

「姐さん、こちらです」

裕也は健吾の病室を案内した。
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