❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
山本は由梨を殴ろうと手を上げた。

由梨は目を瞑って顔を背けた。

そこに一真が盾になって、山本に殴られた。

「一真、てめえ、俺に逆らうのか」

「決してそのようなことは、ただ、傷つけない方がよろしいかと」

「まっ、いいか、お楽しみは後でとっておくか、西園寺の目の前で殴る方が、あいつもダメージは大きいだろう」

一真は由梨に声をかけた。

「大丈夫ですか」

「あなたの方が大丈夫ですか」

「自分は慣れているので気にしないでください」

「私、どんな用でここにきたのでしょう」

「あなたは拉致されました」

由梨は倒れている裕也の存在を忘れた。

「あのう、この人はあなたのお知り合いの方ですか」

一真は由梨の言葉に驚いた。

(この女、何を言ってるんだ)

「西園寺組のやつですよね」

由梨はじっと裕也を見つめていた。
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