❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「あなたは西園寺組の姐さんですよね」

「健吾さんの奥様はちゃんといますよ」

一真は人違いをしたのかと戸惑った。

(いや、そんなはずはない、でも助かりたくて嘘を言ってるようにも見えない、どう言うことだ)

「あのう、この人、手当しないと、ダメなんじゃないでしょうか」

一真は混乱していた。

「私のロープ解いていただけますか、救急箱ありますか」

一真は「ああ、はい」と言って由梨のロープを解いた。

「今、救急箱持ってきます」

一真が持ってきた救急箱で裕也の傷の手当をはじめた。

(不思議な女だ)

すると、由梨は一真の傷の手当もしようとした。

「俺は大丈夫です」

「だって、血が出ていますよ、痛いでしょ」

一真は由梨に対して、初めての感情に戸惑った。

由梨は一真の手当も始めた。

「さっきは助けてくれてありがとうございました」

由梨はにっこり微笑んだ。
< 93 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop