❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
渡辺は、健吾を引き止めるのに必死だ。

「若頭、組員総出で姐さんと裕也の行方を探しています、若頭は大人しくしていてください」

「大人しくなんかしてられるか」

健吾は立ち上がると、床に倒れた。

(くそっ、俺は由梨のために何も出来ないのか)

そこへ健吾のスマホが鳴った。

「いきなり、失礼します、山本組若頭東條一真と申します、西園寺組若頭、西園寺健吾様のスマホで間違いないでしょうか」

「ああ、なんの用だ」

「姐さんをお預かりしております」

「何?」

「おい、無事なんだろうな、声を聞かせろ」

一真はスマホを由梨に渡した。

「あんたの旦那だ、声聞かせてやりな」

「私には旦那様はいません」

「いいから出ろよ」

由梨は恐る恐るスマホに出た。

「由梨です、誰ですか」

健吾は大きく深呼吸をして答えた。
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