❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「若頭、自分の身を守ることを最優先すると約束してください」

「由梨を守ることが最優先だ」

わかっていた。

二度も自分の命を救ってくれた由梨、そして、本気で惚れた由梨。

由梨が健吾の中で一番だと言うことを……

渡辺と健吾は指定の場所に着いた。

渡辺に肩を支えられて、やっとの思いで歩を進めている。

これでは自殺行為と言っても過言ではない。

「ほう、生きておったか」

山本は憎まれ口を叩く。

「由梨を返してもらう」

健吾は山本を睨み返す。

「今の自分の立場をわかっているのか」

「わかってるさ、お前をぶちのめして、由梨を連れて帰る」

山本は大声で笑った。

「その身体で何が出来るんだ」

「俺を潰したいみたいだが、そうしてもお前はトップには立てない」

「はあ?」
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