桜が満開のときに
――キーンコーンカーンコーン
チャイムの音が鳴り、みんなが席についた。
教室のドアを開ける音がした。
「ぐっもーにんぐ!!
初めまして、今日から約一年間二年C組の担任をします、安曇千夏です。
担当教科は古典です。
みんな、よろしくぅ~!!」
とても元気な明るい声で挨拶をした先生は私とあまちゃんの去年の担任の先生だった。
安曇先生は、
どの先生もしないようなことをすることが好きな人で、
そして陽気な人で、
困っていることや悩みがあるとよく相談に乗ってくれるとてもいい先生だ。
安曇先生が担任の先生ならば、二年生の学校生活も平和だろうと思った。
―――――――
高校二年生になって初めての授業の時間になった。
私は一応文系だが、どの科目も好きなので、テストも得意不得意で点数の差が出ることは少ない。
あまちゃんは二年生にもまだある数学嫌いを一年生の時から克服できず、
テストではいつも手こずっている。
そのため、私がテスト前になると、数学を教える。
というか、ほぼ全科目教えている。
教えることもいい勉強の仕方のため、助かっているといえば助かっている。
一時間目はいきなりの数学だった。
「それでは、数学IIの教科書の六ページ開いて。
今回は、第1節の式と証明をやります。」
と数学の先生の授業が始まった。
そのとき、コンコンと机を叩く音が近くで聞こえたと思ったら、私の机だった。
恐る恐る隣を見ると、満月綺葵琉が
「教科書見せて」と私にお願いポーズをしていた。
どうやら忘れたらしく、私に見せてもらいなさいと数学の先生に言われたそうだ。
先生が私に頼んだのだから、私は観念して、見せることにした。
「……どうぞ。」
どうぞと言った私の声は少し震えてて、自分でも自分の声に少し怖さを感じた。
「ありがとう。」と優しい声で言われて、少し驚いた。
この人はこんな声も持っているのだということを。
先生の説明が終わり、演習問題の時間になった。
数学は特に好きな科目の一つであるため、スラスラと問題を解けて、とても楽しい。
ひたすら、先生が黒板に書いた問題をスラスラ解いていると、
「解くの、はやっ」と言われていたようだが、
問題に熱中しすぎて周りの声など聞こえなかった。
なんてこんなに楽しいのだろう。
答え合わせの時間になった。
見事に全問正解でとても嬉しかった。
心の中でやった!とガッツポーズをした。
「全問正解……ガチ優等生かよ笑」
と隣から笑う声が聞こえた。
とっさにノートを隠した。
「名前、門叶 澄音っていうだ~
”澄音”って呼んでいいよね」
急に話題が変わり、相手の空気に呑まれて、返事に困った。
「苗字でいいよ。
別にそんなに話す仲でもないし……。」
と頑張って返事したが、結構トゲのある返事にしてしまい、焦った。
ヤバい、ど、怒鳴られるかも……。
「教科書見せた仲じゃん、真面目だなぁ
ってことで’’澄音’’。
俺のことは名前で呼んで。」
と怒鳴る素振りもなく、淡々と会話が進んでいく。
たまたま私たちの会話を聞いていた、前の席に座っていたあまちゃんが、
「澄音、嫌がってんじゃん。
しかも、私の澄音いじめないでもらっていもいい?」
とかばってくれた。
「出た笑笑
海音の澄音ちゃんは私のもの宣言!!」
と周りの女の子たちが笑っていた。
「海音は本当にとがちゃん好きだね~」
「綺葵琉~、海音は敵にまわしたら、お前でも負けるかもよww」
あまちゃんはドヤッとしていて、
「澄音はおまえにはわたさんからな!フン!」
と言って、少しの笑いを生んだ。
「ってことで、澄音。よろしくな!」
と周りの声など気にせずに話しかけられた。
何を言われるか分からなく、怖かった私は小さく頷いた。
チャイムの音が鳴り、みんなが席についた。
教室のドアを開ける音がした。
「ぐっもーにんぐ!!
初めまして、今日から約一年間二年C組の担任をします、安曇千夏です。
担当教科は古典です。
みんな、よろしくぅ~!!」
とても元気な明るい声で挨拶をした先生は私とあまちゃんの去年の担任の先生だった。
安曇先生は、
どの先生もしないようなことをすることが好きな人で、
そして陽気な人で、
困っていることや悩みがあるとよく相談に乗ってくれるとてもいい先生だ。
安曇先生が担任の先生ならば、二年生の学校生活も平和だろうと思った。
―――――――
高校二年生になって初めての授業の時間になった。
私は一応文系だが、どの科目も好きなので、テストも得意不得意で点数の差が出ることは少ない。
あまちゃんは二年生にもまだある数学嫌いを一年生の時から克服できず、
テストではいつも手こずっている。
そのため、私がテスト前になると、数学を教える。
というか、ほぼ全科目教えている。
教えることもいい勉強の仕方のため、助かっているといえば助かっている。
一時間目はいきなりの数学だった。
「それでは、数学IIの教科書の六ページ開いて。
今回は、第1節の式と証明をやります。」
と数学の先生の授業が始まった。
そのとき、コンコンと机を叩く音が近くで聞こえたと思ったら、私の机だった。
恐る恐る隣を見ると、満月綺葵琉が
「教科書見せて」と私にお願いポーズをしていた。
どうやら忘れたらしく、私に見せてもらいなさいと数学の先生に言われたそうだ。
先生が私に頼んだのだから、私は観念して、見せることにした。
「……どうぞ。」
どうぞと言った私の声は少し震えてて、自分でも自分の声に少し怖さを感じた。
「ありがとう。」と優しい声で言われて、少し驚いた。
この人はこんな声も持っているのだということを。
先生の説明が終わり、演習問題の時間になった。
数学は特に好きな科目の一つであるため、スラスラと問題を解けて、とても楽しい。
ひたすら、先生が黒板に書いた問題をスラスラ解いていると、
「解くの、はやっ」と言われていたようだが、
問題に熱中しすぎて周りの声など聞こえなかった。
なんてこんなに楽しいのだろう。
答え合わせの時間になった。
見事に全問正解でとても嬉しかった。
心の中でやった!とガッツポーズをした。
「全問正解……ガチ優等生かよ笑」
と隣から笑う声が聞こえた。
とっさにノートを隠した。
「名前、門叶 澄音っていうだ~
”澄音”って呼んでいいよね」
急に話題が変わり、相手の空気に呑まれて、返事に困った。
「苗字でいいよ。
別にそんなに話す仲でもないし……。」
と頑張って返事したが、結構トゲのある返事にしてしまい、焦った。
ヤバい、ど、怒鳴られるかも……。
「教科書見せた仲じゃん、真面目だなぁ
ってことで’’澄音’’。
俺のことは名前で呼んで。」
と怒鳴る素振りもなく、淡々と会話が進んでいく。
たまたま私たちの会話を聞いていた、前の席に座っていたあまちゃんが、
「澄音、嫌がってんじゃん。
しかも、私の澄音いじめないでもらっていもいい?」
とかばってくれた。
「出た笑笑
海音の澄音ちゃんは私のもの宣言!!」
と周りの女の子たちが笑っていた。
「海音は本当にとがちゃん好きだね~」
「綺葵琉~、海音は敵にまわしたら、お前でも負けるかもよww」
あまちゃんはドヤッとしていて、
「澄音はおまえにはわたさんからな!フン!」
と言って、少しの笑いを生んだ。
「ってことで、澄音。よろしくな!」
と周りの声など気にせずに話しかけられた。
何を言われるか分からなく、怖かった私は小さく頷いた。