噂の絶えない彼に出逢って,私の世界はひっくり返る。
「え?」
「大きくなった男なんて可愛くないでしょ」
少し伸びてる袖を,胸の前でくっつけて。
まむくんは唇を前につき出す。
そう言えば
「そんなことないよ。可愛さは内側から来るんだから。まむくんの素直で優しいとこは,誰にも負けない可愛さでしょ」
何故か昔から,特に成長期を迎え始めてから,まむくんは自身の可愛さに固執するようになった。
変化が訪れる度,焦って私から隠そうとする。
「だから,猫背にしないの! 姿勢は後になって後悔するんだからっ」
"可愛い"が好きそうには見えないのに……
教室に入る手前,まむくんを見ると。
にっこりといつもの可愛い顔で微笑みかけてくれた。
「あ,正宗くん!」
教室に入った途端,驚いたようにクラスメートの女の子が1人駆け寄ってくる。
男女問わず人気なまむくんなので,想像の範疇である。
その女の子が私を見ながら何かを耳打ちする横で,私はまむくんの笑顔を思い出した。
上の角度から上目遣い……
あの器用な角度は,きっとまむくんにしか出来ない。
「大きくなった男なんて可愛くないでしょ」
少し伸びてる袖を,胸の前でくっつけて。
まむくんは唇を前につき出す。
そう言えば
「そんなことないよ。可愛さは内側から来るんだから。まむくんの素直で優しいとこは,誰にも負けない可愛さでしょ」
何故か昔から,特に成長期を迎え始めてから,まむくんは自身の可愛さに固執するようになった。
変化が訪れる度,焦って私から隠そうとする。
「だから,猫背にしないの! 姿勢は後になって後悔するんだからっ」
"可愛い"が好きそうには見えないのに……
教室に入る手前,まむくんを見ると。
にっこりといつもの可愛い顔で微笑みかけてくれた。
「あ,正宗くん!」
教室に入った途端,驚いたようにクラスメートの女の子が1人駆け寄ってくる。
男女問わず人気なまむくんなので,想像の範疇である。
その女の子が私を見ながら何かを耳打ちする横で,私はまむくんの笑顔を思い出した。
上の角度から上目遣い……
あの器用な角度は,きっとまむくんにしか出来ない。