監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
財前先輩にもずうずうしく絡む108番を注意して、私も部屋を出る。
私がまえ、財前先輩がうしろ、と108番をはさんで独居房まで連れていくあいだも、彼はうるさかった。
「藤枝。ちょうばつ房へ」
「わかりました」
「おいおい、いきなりケジメ部屋か?つれねぇこと言うなよ」
「私語はつつしみなさいと、何度も注意しました」
「まったく…たいした看守サマどもだな」
ため息まじりに軽口をたたく108番をちょうばつ房に入れたあと、私たちは教室棟へもどる。
今日は月曜日。
私たち特進クラスは、授業日だ。
監獄学園には、2種類の生徒がいる。
刑務官をこころざすGebot科の生徒。
そして、受刑者としてこの学園に来たVerbrechen科の生徒。