監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
嫉妬の対価
プロポーズされたとは言え、財前先輩は公私混同をしないひと。
看守業務中や生徒会の仕事中、特に変わったようすはないのだけど…。
「藤枝、交代だ」
食堂で昼食を摂るVerbrechenを見守っていると、肩を叩かれた。
「はい」と答えながら財前先輩の顔を見ると、つかの間、ふっとほほえみを見せられる。
「じゅうぶんに気を休めてこい」
すれちがいざま、そうささやかれてドキッと心臓が跳ねた。
…こういう、休憩のタイミングでのささいなスキンシップとか、やさしい一言が増えたんだよね…。
「ありがとうございます…」
どう反応していいかわからなくて、うつむき気味にちいさく返してから、私はGebot2年生と一緒に食堂を出る。
まだ気を抜いちゃいけないのに…財前先輩にああやって接されたら、集中力も乱れちゃうよ!