監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
「センセー。頭いてぇ」
「…また抜け出すための口実だろう」
「今回はガチだって」
雷牙は元気のないようすで「はぁ…」とため息をついた。
…なんか、本当に体調わるそう。
今日は一度も絡んできてないし…。
「かまいません、医務室へ連れて行ってください。108番の体調が回復するまで付き添いをお願いします」
「…わかりました」
Gebot生はうなずいて雷牙のそばに行く。
雷牙はちらっと私を見たけど、私はすぐに目をそらして心の平静を保った。
「全員、よそ見をしていないで作業しなさい」
「「「…」」」
雷牙のことを見ていたVerbrechen生は、しぶしぶといったようにふたたび手をうごかす。
ここ最近は意識が乱れていたけど…気を引き締め直せば、ちゃんと仕事ができる。
そのことを実感しながら、私は作業のあとの授業時間も、いつもどおりきびしくVerbrechenに接した。