監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
こんなことされたら心臓ばくばくになるに決まってるじゃん!
思わず雷牙をにらむと、雷牙は目を丸くして「景依…」とつぶやいた。
それから、すこし顔を寄せられる。
「まじで熱じゃねぇの?」
「ちっ、ちがう、へいき!」
「ふぅん…それじゃ、俺にさわられてまっかになってるって可能性しか、残らねぇんだけど」
「えっ」
ドキッと心臓が跳ねた。
雷牙は目を細めてじっと私を見つめていて、ばくばくと心臓があばれ出す。
や、やばい…!
「や、やっぱり熱かも…っ」
「その逃げ方は言い逃れできねぇぞ。さっきも“俺がさわるから”って言ってたな?」
「っ…ち、ちがう…」
否定する声がちいさくなる。
雷牙は私を抱きしめ直して、「景依」と呼んだ。
反応しちゃダメって思っているのに、ドキッとして顔が熱くなる。