監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
「わ、私っ、報告にもどるから!仮病ならちゃんと演じ切ってっ」
「ははっ、見逃してくれんの?…ま、俺ももどるわ。逆に近くにいてうたがい晴らしたほうがよさそうだし」
「うたがい…?」
「なんでもねぇ。景依はふだんどおり、鬼看守さまでいろ」
「言われなくても」
むっとして答えると、雷牙は笑って私を解放した。
それから、扉のそばのイスに座って居眠りしているGebot生に視線を向ける。
「そんじゃ、あいつを引きずっていかねぇとな」
「うん…厳罰を下さないと」
私もそっちに視線を向けて、ため息をつく。
寝ててくれて安心したけど、これだけしゃべってて起きないなんて…どうしようもないなぁ。
私は雷牙にGebot生の運搬をたのんで、食堂に帰っていった。