監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


〈これまでこちらからの連絡を無視していたのに、どうしていまになって行動した?〉


「ちょいと気が変わってな」


〈もっとはやく、監獄学園の受刑者たちを連れて脱獄できただろう〉


「だから、気が変わったって言っただろ?俺は一生ムショのなかでもよかったんだ」


〈…最初から私の命令を聞く気はなかったということか〉




 じいさんは目をつむってため息をつく。

 俺は「そういうこと」と答えて、ポテトを2本口に入れた。




〈おまえにもうちの自白剤を飲ませて、洗いざらい腹のうちをしゃべらせたいところだな〉


「あぁ、んぐ…正気を保ったまま口を軽くするっていう、例の特製薬か?それで俺を解明できるといいな」


〈いくらおまえでもあの薬のまえではしゃべらざるを得ない。すべてな〉


「ははっ、おっかねぇおっかねぇ。んな薬使わなくたってしゃべってやるよ。たとえばそう、俺の気を変えたとある看守さまのはなしとか?」
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