監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
じいさんはテーブルにひじをついて、手を組んだ。
俺のいちばんの武器と言えば、よく回るこの口だ。
日本一のヤクザだって、俺の目的のために利用し尽くしてやろうじゃねぇの。
「監獄学園の情報、俺が入る前から手に入れてたの覚えてるだろ。あれを表に出せ」
〈…まさか〉
「そのまさかだ。俺はそいつをあやつれる」
〈なるほど…わるくはない。が、こちらとしてもそこそこの痛手だ〉
上乗せを出せ、と要求する目に口角を上げる。
「新しい人員は送ってやっただろ」
〈なるほど、私のごきげんとりをしたわけだな〉
「あぁ。それに俺はかわいいかわいい孫息子だぜ。助ける価値はあるだろ」
〈ふっ、じじ不孝者がよく言う。いいだろう〉