監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
「あの…財前先輩も、私のこと、うたがっていますか…?」
「…いや。集団脱獄の協力者は他にいると思っている。まだ証拠は掴めていないが」
財前先輩は私の向かいのイスに腰かけて、ひざの上で手を組む。
先生はベッドに腰かけて、すこし離れたところから私たちを見ていた。
「証拠、ですか…」
「あぁ。犯人が、俺の予想どおりの人物であれば…捜査をかいくぐるのは容易だろう」
「…」
犯人…雷牙は、いったいだれに協力を求めたんだろう。
いつもの口八丁で丸めこんだのかな。
どうして私にはなにも言わなかったの?
「本当に隔離するべきはあの者だが…こちら側の捜査状況を協力者がもらしている、という先生方の考えもどうだか」
「財前」