監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「言っておきますが、もう“惚れた”なんてざれごとで私を手玉に取れると思わないように」


「ざれごとだって?俺の言ったことがうそだって言いてぇのか?」




 すっと、雷牙が目を細める。

 上から見下ろされたって、動じることなく「えぇ、もちろん」と返した。

 すると、雷牙は私に手を伸ばしてくる。


 私はその腕を受け流しながら、雷牙のみぞおちにひじ打ちを入れた。

 …もう片方の手でガードされたけど。




「…本気で俺を拒絶しようっての?」


「当然です」


「はぁ…」




 雷牙はふたたびため息をつくと、手をひっこめる。

 私も一応、攻撃のかまえを解いた。




「…わるかった」


「!」
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