監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


 あぁ、お母さんにも説明したりしたから、よけいなことまで頭に浮かんじゃう…。

 この調子じゃまずい、なにか気をそらして、あの男の質問を聞かないようにしないと…!

 私は倉庫のなかを右、左、と見てとにかく観察することにした。




『監獄学園じゃ、生徒が看守をしてるんだろう?1年は看守をしないのか?』


『うわ、あそこきたな…あきらかに掃除してないじゃん』


『おい、質問に答えろ!』


『うるさいなぁ、いま向こうを観察してるの、じゃましないで』


『このガキっ…!』




 とにかくいまの状況についても学校についても考えない、ただ視界に映るものに集中する。

 そうした戦法を取っていると、とつぜん目かくしをされてそれを止められた。




『なにするのっ』
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