監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


 この男は、またプライバシーを侵害するような質問を…!

 私がなんでもしゃべる状態だからって、好き勝手して!

 最低なんだけど!




『そんな親の仇を見るような目でにらむなよ。かわいがってやりたくなるだろ。…なぁ、おまえが死ぬほどこわいもんってなんだ?』




 にやりと、男はまたいやらしい顔をして聞いてくる。

 それだけはぜったいに言いたくない…!




『クモ』


『へぇ、クモって虫の?』


『そう!あの世界でいちばんこわい、生理的にむりな生き物!』


『はははっ、相当きらってんな。かわいそうに、そんなクモがおまえの足元にいるなんて』


『いやぁぁぁぁぁぁあっ!?』





 ガタガタとイスをゆらして、涙目になりながらひたすらあばれた。

 アレがいま足元にいるの!?
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