監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


『やだやだやだやだっ、これほどいてこれほどいてこれほどいてっ!』


『はっはっはっ!腹いて~!うそだって、ジョーダンジョーダン!』


『はぁっ?冗談!?…さいってー…!ほんと性根くさってる!』


『はははっ、よく言われるわ』




 私の目のまえで大笑いしてる男を見て、私のなかのきらいな男ランキングが変動した。

 この男、父親の次にきらいっ!


 それからも、私は赤髪の男にもてあそばれ続けて、一生分の怒りを消費した。

 もはや体力すら使い果たしたころ、男はげらげら笑いながらスマホを取り出す。




『あ、やべー、もう19時かよ?約束の時間、1時間も過ぎてんじゃねぇか。テツうるせぇだろうなー…じゃあな、景依』


『名前で呼ばないでっ』


『ははっ、元気でな。け・い』
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