監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
 私はそれを否定せず、検察官の目を見て、あのときの自分の状態をはっきり答えた。

 そんなこんなで、私が証言する番は終わり…。

 私の証言を裏付ける証拠の提出が続々とおこなわれる。




「証人、藤枝(ふじえだ)さんの捜索願が出されていたのは、すでに提出したとおりです。また、赤城会による藤枝さんへの尋問記録がボイスレコーダーに残っています」


《なに、ここ…私、どうして寝てたんだっけ…?》


《…起きたな。監獄学園の生徒さんよぉ、まずは学年とクラス、名前を言ってもらおうか》


《はぁ?なにを言ってるの…1年特進クラス、藤枝(ふじえだ)景依(けい)だけど…あなただれ?》


《赤城会のもんだ。名前は知る必要ない》




 裁判所にあのときの会話が流れると、私は目をそらして奥歯を噛んだ。

 私が情報漏洩(ろうえい)をした証拠でもあるから。
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