監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
無表情で見下ろしながら、たんたんと言われて、一歩後ずさりそうになるのをこらえた。
1年首席…ってことは、次期副会長候補…!?
私、この子と1年、生徒会で一緒に仕事する可能性があるの…!?
「藤枝先輩と看守業務にあたれること、光栄に思います。なにとぞよろしくお願いします」
紫色のおかっぱの髪をゆらして、頭を下げた鳩野さんをぱちぱちと、まばたきしながら見つめる。
身長に圧倒されそうになったけど、後輩に慕われる気分というのはわるくない。
私は自分のそでに入った銀色の線を見て、気を引き締めながら答えた。
「うん、よろしく」
****
6時40分。
数フレーズの音楽が流れる。
「点検!」