監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


 じぃ、とよこから視線を感じて、ハッと我に返った。

 後輩にこんなところを見られるなんて…!

 しっかりしなきゃ、私!




「直りなさい!108番!」


「…はいよ」




 すぅ、と息を吸って気を引き締め直すと、雷牙はへらりと笑って正座をする。

 点呼を取ったら、布団をたたませて、朝食を運んで…。

 失態を取り返すように、毅然(きぜん)とした態度で雷牙に接した。



 冬の時期、午前の刑務作業は学園の敷地内の雪かきに変わる。

 鳩野さんと別れ、別の1年生を連れながら、校舎まえの雪かきの監督をしていた私は、「センセー」と呼ばれて、手を止めている男に駆け寄った。




「なんですか、108番」


「今日はいちだんと寒くねぇ?長時間外にいたら凍えるって」
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