監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「雷牙も、すぐに冷えちゃうよ」


「かもな。ま、俺は動いてるうちにまたあったまるからいいんだよ」


「…ありがとう」




 寒さなんて忘れたように、頬が熱くなる。

 目を見れなくて、視線をそらしたままお礼を言うと、ぎゅっと手を握られた。




「日に日にかわいくなられると、がまんすんの大変なんだけど。いまとかすげぇキスしてぇし。していいか?」


「だっ、ダメ!」




 バッと顔を上げると、楽しそうにくっくっと笑われる。

 またからかったの!?


 雷牙は私を見つめると、そのまなざしをやわらげて言った。




「景依。好きだ」


「っ…私も、好き…」
< 240 / 289 >

この作品をシェア

pagetop