監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
「雷牙も、すぐに冷えちゃうよ」
「かもな。ま、俺は動いてるうちにまたあったまるからいいんだよ」
「…ありがとう」
寒さなんて忘れたように、頬が熱くなる。
目を見れなくて、視線をそらしたままお礼を言うと、ぎゅっと手を握られた。
「日に日にかわいくなられると、がまんすんの大変なんだけど。いまとかすげぇキスしてぇし。していいか?」
「だっ、ダメ!」
バッと顔を上げると、楽しそうにくっくっと笑われる。
またからかったの!?
雷牙は私を見つめると、そのまなざしをやわらげて言った。
「景依。好きだ」
「っ…私も、好き…」