監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
頬に熱を感じながら応えると、甘い瞳に見つめられて胸がきゅんとした。
ダメだ、もっと求めたくなる……!
「もっ、大丈夫だから…作業にもどってください、108番」
「はいよ、先生」
雷牙はやさしく笑って手を離す。
冷えた空気に一瞬でうばわれそうな熱を、ポケットのなかに閉じこめて守った。
「じゃあ、がんばってね」
「おう」
軍手をはめなおす雷牙を見て、私は名残惜しさをふり切るように持ち場へもどる。
胸がぽかぽかしているせいか、寒さは気にならなかった。