監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
後輩の視線
1年の特進クラス生が看守業務に加わってから、もう1週間が経った。
無人の刑務所棟・会議室を見て、いちばん乗りか、と頬をゆるめた私は、朝礼にそなえてぐっと伸びをする。
3年の特進クラス生…いまは2人だけだけど、財前先輩たちは他の刑務所への出張研修があって不在だから…。
私がGebotの代表みたいな立ち位置にいるいま、しっかりしないとね。
カチャ…
「藤枝先輩、おはようございます」
「あぁ、おはよう、鳩野」
会議室に入ってきた長身の鳩野さんを見て、にこりと笑いながらあいさつすると、彼女はぺこっと頭を下げた。
私も昇級して看守部長になったし、上官らしく呼び捨てにしているけど、心のなかではまださんづけが取れそうにない。
なんというか鳩野さん、身長が高いのと、いつも無表情なのが相まって、私より威圧感あるから…。