監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「かわいい顔。これからきつく当たられんだろ?それじゃ、糖分チャージしておかねぇと」


「こ、こんなところで…!」


「わざわざこんなところに来るやつはいねぇって。ほら、景依、もう一回」


「っ…!」




 もう、と思いながら近づいてくる顔を止められない。

 ばくばくした鼓動と、頬の熱を感じながら、私は目をつむってキスを受け入れた。

 雷牙の体温が伝わってきて、ドキドキする…。




「――……藤枝先輩?」


「!」


「…物好きなやつがいやがった」




 第三者の声が聞こえて、バッと雷牙の胸を押し返すと、ぼそっとしたつぶやきが降ってくる。

 雷牙越しに、うしろにいるひとを見ると…鳩野さんは、いつもの無表情のままそこに立っていた。




「は、鳩野…」
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