監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
革工工場の監督をふりわけられた私は、壁ぎわでVerbrechenの作業を見守っていたんだけど…。
近くの受刑者から新しい革を受け取った108番を見て、また?と眉をひそめる。
さっきから、108番が必要としてる道具を他の受刑者が代わりに取って渡してるんだよね…。
物を渡すついでに、なにか小物を渡したりしてるかもしれないし…。
「そこ。108番自身に取らせなさい」
「んなこまけぇこと言うなって。ただの気遣いだろ?やさしいやつらなんだよ」
「はぁ?」
あ、いけない。
思いっきり引いた声出しちゃった…。
だって、男のなかでもクズ筆頭の受刑者を“やさしい”なんて言うんだもん…。
「そんなしかめっつらしてたら、かわいい顔が台無しだぜ?おチビちゃん」
「次そんな口を叩いてみなさいちょうばつ房に入れますからね」