監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
悩みの種がなくなって、笑顔でお礼を伝えると、真波はただぺこりと頭を下げた。
口止めができて、本当によかった…。
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あとから聞いたはなしによると、兎杏も口外しないように、真波へお願いをしに行ってくれていたらしい。
いちばんの決め手は“お兄ちゃん”の意見だったみたいだけど。
これでもう大丈夫、あとは雷牙への態度に気をつけるだけ、なんてルンルンで学校に行っていたら…。
「藤枝先輩、大変です。108番が指導室に連行されました。女性関係のはなしだと…」
「え!?」
真波を口止めできた翌日、刑務作業の監督をしていると、革工工場の担当をしている真波が駆けこんできた。
耳打ちされた内容に、わるい意味で心臓がドキリと跳ねる。
「藤枝先輩を呼んでくるようにと言われて、自分が」
「わかった…すこし離れます!」