監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
財前先輩に対して嫌味ったらしい言い方…!
じろっと林郷先輩をにらむと、苦笑いして「藤枝ってかわいいのにかわいくない」とぼやかれた。
男にかわいいなんて言われてもうれしくないし。
「いまは108番が他の受刑者に与える影響がいいものであるから、隔離はしない。だが、度が過ぎるようなら、独居房へ移すことも考える」
「はい」
「わかったよ」
財前先輩の方針を聞いて、ふかくうなずく。
紫色の瞳を私たちに向けた財前先輩は「以上」と言って背を向けた。
私は頭を下げて財前先輩を送り出し、林郷先輩とすれちがって食堂にもどる。
昼食が終わったら、また刑務作業だ。
先輩たちが昼休憩を終えたら私たちも昼休憩に入れるし、あともうすこしがんばろう!