監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
藤枝景依の秘密
私には、去年の年末、数日間の記憶がない。
《そう…ううん、いいの。景依がぶじに帰ってきてくれただけで、お母さんは…》
「うん、わかってるよ。心配かけて、ごめんね」
お母さんのはなしによると、私は12月27日の朝に姿を消したらしい。
ご近所さんの雪かきを手伝いに行ったっきり、もどってこなかったんだって。
警察にも捜索願を出して、だけど一向に手がかりを掴めないまま…30日の朝、雪かきに出たお母さんが見つけたみたい。
家のまえにたおれている私を。
《あんな事件があったし、本当に生きて帰ってきてくれただけで…》
「うん、大丈夫。どこも怪我してなかったんでしょ?」
《えぇ…》