監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
「万が一にも仮釈をもらって、またお母さんに迷惑をかけないか不安なだけ」
《そうね…当分はないそうよ。でもお父さん、がんばってるから…》
「そんなの、いつもの口八丁でしょ。あのひとにまともな精神性がすこしでもあるなら、何回も刑務所に入ったりなんかしない」
《景依…》
私の父親は、倫理観とか、理性といったものが欠けている。
あたりまえのように万引きをするし、すぐに暴力に訴えかけようとするし、そのくせ捕まったら自分はわるくないって被害者づら。
刑務所生活がながくて生計を立てるよゆうもないから、いつもお母さんに情けなくすがるし。
そんな姿をおさないころから見ていたから、私は男っていう人種がだいっきらい。
だから、私は父親みたいな、性根のくさった男の根性を叩き直すために…。
受刑者たちが再犯なんて考えもしなくなるように、刑務官を目指すって決めたんだ。