監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
「うんっ。はぁ~、兎杏(とあ)と過ごす時間が私のいやしだよ~…」


「わっ。ふふっ、景依ちゃんってほんとにくっつくのが好きだね」




 すぐとなりに行って、しゃがみながらハグをすると、兎杏は抱きしめ返してくれる。

 私の愛するルームメイト、小柳(おやなぎ)兎杏(とあ)

 茶色のボブヘアに、緑色の垂れ目がかわいい子。


 なにより親近感を覚えるのは、私と身長がちかいところ!




「兎杏は復習中?」


「うん。そろそろ終わりにしようと思ってたんだ」


「そっか。お疲れさま!」


「ありがとう。景依ちゃんは今日、どうだった?」




 ふにゃっと笑って、兎杏はノートを片付けながら私に聞く。

 私は兎杏のとなりで女の子座りをして、「大変だった~」と肩を落とした。




「兎杏たちも明日聞くと思うけど、108番がVerbrechen(フェアブレッヒェン)の王さま気取りでさ~」
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