監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


 108番が親指で肩のうしろを指すと、Gebot(ゲボート)生が体をちいさくして現れる。

 財前先輩の通達を聞いてなかったの…!?




「受刑者に頼らない!それでも看守ですか!」


「すっ、すみません…!」


「まぁまぁ、いいじゃねぇか。俺にとっては作業をサボるいい口実ができたんだし」


「さっさと帰りなさい!」


「そんなつれねぇこと言うなよ。どうせならわんこの散歩もしてやるぜ?」


「必要ありません、帰りなさい!」




 ぎゅっと手を握ってイライラを抑えながら指示すると、108番は肩をすくめて「はいはい」と入り口から離れていった。

 108番を連れてきたGebot(ゲボート)生はその背中をのんびりながめている。




「あなたもぼーっとしてないで付き添う!受刑者を1人でうろつかせる気ですか!」


「はっ、はい!」
< 46 / 289 >

この作品をシェア

pagetop