監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「番号、108。大門(だいもん)雷牙(らいが)だ。2007年9月29日生まれ。罪名は殺人。刑期は無期…末永くよろしくな。ついでに好きなタイプでも言おうか?」


「私語はつつしみなさい」


「気が強くて、まっすぐで、度胸がある女だ。気が強いって点で、おまえはいい線いってるな。あぁ、名前はなんだったか?」


「聞いていません。…看守、藤枝景依です。刑務官のことは“先生”と呼びなさい」


「景依な」





 笑みを浮かべながらあっさりと呼び捨てにされて、カチンとくる。

 なかなか言うことを聞かない受刑者というのは多いものだけど、この男は最低の部類。

 まるで反省の色が見えない。クズだ。




「房へ案内します。来なさい」


「なぁ、ここって添い寝サービスはねぇの?たとえばおチビちゃんの」
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