監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。
施設内のすべての視察を終え、帰る時間になったおえらいさんは、刑務所棟の廊下を歩きながら感想を語った。
「学園施設でありながら、きちんと刑務所として機能しているようだ。だが、刑務官はまだまだ未熟だな」
「ご期待に沿えずもうしわけありません。どのような点が不足しておりましたか?」
「ふむ」
おえらいさんと財前先輩のうしろを歩きながら、じっとおえらいさんの背中を見つめる。
体のうしろで組まれた手が、ぎゅっ、ぎゅっと握られた。
「全体的に、受刑者の締め付けが甘いようだ。緊迫した空気というものが伝わってこなかった」
「なるほど」
「受刑者は罪人だ。刑務所は罪人を矯正するためにある。やつらがのんきに過ごせる場所であってはいかん」
「…えぇ」